20000614

ハイウェイのお月様
いつもいつもそこにいて
ハイウェイのお月様
ふたりを照らして
暗い暗い暗い道に
迷わせないで
(C) RCサクセション / ハイウェイのお月様
お茶の水の三楽病院へ行く。
悪夢の親知らず抜歯から一週間たち、今日は抜糸の日だった。
これがまた、痛かった。
縫合したのは、日大病院の口腔外科で、アフターケアが三楽病院。
つまり、縫合した人と抜糸をする人が違うのである。
三楽の歯医者さんは初老の人のよさそうな感じ。
「えーと、じゃあ糸を抜きますね」などと言いながら、僕の口をのぞきこんで
ピンセットのような器具を持って目を細めている。
「あれれ、これはどう結んであるのかな」とかいいながら引っ張られるなり
体に電流が走りました。
ひぇー。
「あ、ゴメンゴメン痛かったでしょう。血が出てきたから麻酔打ちましょう」
って、麻酔は最初から打って欲しいものです。
で、散々試行錯誤されるたびに「ひぃーっ」と涙目になりました。
で、その様子を歯科助手のおばさんが見かねて「先生、ここの結び目切らなきゃダメですよ」
とかいって、抜糸をしてくれたのでした。
「申し訳なかったですねぇ、だいぶ額に汗をかいていらっしゃる」
と最後にお爺さん先生にに言われました。
額どころじゃなくて、ワイシャツの背中はぐっしょりだぜ。
最近すっかり痛みコレクターです。
同じ場所でも、疼く痛み・抜かれる痛み・切られる痛み・糸でこすられる痛み
それぞれ全然違う痛みなんだよな。
ビバ健康
20000613

忘れ物はもうありませんねと / 機関車は走るのです
君はいつでも僕の影を踏みながら / 先へ先へと走るのです
乗り遅れまいと急ぎ過ぎた僕は / もう止まらないレールの上
あい色した嘘の煙を吐きながら / 僕は君を愛しているんだ
目がつぶれ / 耳も聞こえなくなって / それに手まで縛られても
(c)小坂忠 / 機関車 1971
たとえば
そのちからは
ぼくから仕事を奪うことができる。
そのちからは
ぼくから社会的信用を奪うことができる。
そのちからは
ぼくから家を奪うことができる。
そのちからは
ぼくを投獄することができる。
そのちからは
ぼくを後ろ手に縛り、目隠しをさせ、
猿ぐつわを噛ますことができる。
だけど
そのちからは
ぼくの魂に
指一本ふれることはできない。
20000612

昨日の夢など 話したくない あなたにさえも
(THE BOOM / それでも汽車は走る)
夢をみた。
僕は幼い頃の想い出がたくさんつまった宮崎県の小林市にいる。
県内の公立高校から登校拒否生徒との面談を依頼されて来ていた。
校内を案内されているときに教室に入れないで廊下に佇む男の子が目に留まった。
見覚えがある子だ。
僕の大学を卒業してからの最初の仕事は「児童厚生指導員」とかいう肩書きだった。
役所から児童館に派遣され地域の実態にあわせた児童館運営を企画する。
児童館といっても学校になじめない中高生の吹き溜まりだった。
心を閉ざしてなかなか口を開かないそんな子供達と、はじめは卓球をしたり
好きな音楽やゲームの話を聞いたりしながら関係をつくっていった。
その中の一人が彼だった。
「やぁ、どうしたの?えーとゴメン名前が出てこないよ」
僕はその男の子と階段の踊り場に移動して言葉を交わした。
踊り場の窓から小林の町が見える。
男の子は、すこし肥満気味でラジカセを手にしている。
「名前は思い出せなくて当然だよ。センセイはあれから何百人もの生徒と関わってきたんだろ」
「あー、でも君としたことはよく憶えているよ。そのラジカセを、いつも手放さなかったよね。
ゲイシャ・ガールズのCDを君から借りたしスーファミのソフト[聖剣伝説]も借りたよね。」
「センセイはあの後、南の島に行っちゃったんだろ
その後も、好きなところを渡り歩いてきたんだろ」
「別に、好きなところばかりって訳じゃないよ。仕事を色々変えたんだ」
「でも、色んな人にあって、色んな人と仲良くなったんだろ」
「うん、そうだね」
「その度に、色んな人を置いてきぼりにしているんだよ。
僕はあの頃からずっと同じ場所にいるんだ」
「そんなことはないだろう?君と会ったのは中野区の児童館だし、ここは九州だよ」
「だけどさ、おれちっとも治らなかったよ」
「そんなことはないよ!」
自分の張り上げた声の大きさで僕は目を覚ました。
20000611

雨の日曜日。
木場の東京都現代美術館へ[ Making Things ]と題されたイッセイミヤケの展覧会を観に行く。
才能豊かな作家はいつだってカテゴリーの概念を軽々と飛び越えてしまう。
もはやファッションという枠には収まりきらず、観るもののイメージに翼を与えてくれる
三宅一生のMaking Things(ものづくり)。
20000610

雨の土曜日。
父親が車を買ったというので実家へ見に行く。
スポーツタイプのレガシー・ワゴンだった。
来週くらいから、この車に画材を積んで北海道へ渡り、サラブレットを描きに行くという。
好奇心を持った人間は、いつまでたっても年をとらないものだと、67才の父親を見て思った。
夜は、Hiwa夫妻が遊びに来て一緒に夕食。
せっかく買ってきてもらったサバランも腫れた口腔のせいでがっつけずに残念。
だけど楽しい時間だった。
20000609

腫れや痛みは今朝もひかず、休暇を取った。
「這っても出勤」みたいな、モーレツ社員←死語?精神の欠片も無し。
リンパ腺がでっかく腫れているので顎のラインに、小林亜星さんが憑依したようです。
おもわず、「ぱっとさいでりあ♪」と口ずさんでしまいそう。
平日の昼間にベッドにもぐり込んでいると普段聞き慣れない子供達の声や鳥の鳴き声が
聞こえる。小学生の頃、学校を休んだときにもこんな外の気配を感じた気がする。
外は雨。風が強くて、まるで台風みたい。
コビは、昨夜から僕のベッドで寝ている。
僕が起き出せば、一緒に起きて「はにゃぁー」とエサをねだり、またベッドに入れば、
一緒に寄り添って寝ている。「そんな生き方もあるんだな」と、ネコから学ぶこと多しです。
夜は、Kから電話があり彼の部屋で新しい企画の話などをする。
プロジェクトのために独自ドメインをとろうということになり空いている[ .com ]を探す。
新しいことが始まりそうな予感をいつも持つことが現在をささえる原動力かも知れない。
20000608

ウィダー・イン・ゼリーって美味しいですね。
今日は、全部の味を制覇しました。
って、それしか食べられませんでした。しくしく。
日頃、傲慢な生き方をしているのでこんな風に失ってみる機会がないと、
当たり前のように思っていたことのありがたさが解らなかったりします。
普通に噛んで食事が出来るなんて幸せなことだと思います。
腫れは、今日がピークだそうです。本当に腫れはひくのでしょうか?
もし、このままだったしてもガールフレンズは今まで通りに
僕に接してくれるでしょうか?って、そんなガールフレンズなど一人もいませんでした。
悪い妄想です。
今日は、直属の上司に「いやー、クレヨンしんちゃんそっくりだね」と言われました。
「なんだと-」と、しんちゃんの声真似をしながらお尻を押しつけようかと思いましたが、
もう31才なのでやめました。
以前も、そんなことをしたことは無いですが・・・。
痛み止めの薬が強いらしく、テキストもちょっと壊れ気味です。
ゆるしてください。
20000607

精神的な拷問です。
痛みそのものが恐怖なのではなく、色んな器具が出てきたり、
お医者さんが苦闘している様子からこれからやってくるであろう痛みを
想像してしまうことが恐怖でした。
ひー。イマジネーション小心者です。
どうも、予想より僕の親知らずはしぶとかったようです。
ときおり若いドクターは「助手がいればなー」とか「おっかしいなー」などと
汗だくで独り言をいっています。
「抜く」というより、「掘られている」という感じでした。
途中「何方向からかメスで掘り下げますね」と言われました。
「うぉー、徳川埋蔵金じゃないのに!」と心の中で叫んで、泣き顔になりました。
結局親知らずの抜歯は3時間かかりました。ぐったりです。
歯は、4分割に切断してやっと抜けたそうです。
私の、ミドルクラスだった顔はすっかり低予算のハリウッドメイクのように腫れあがっています。
痛々しいと言うよりはむしろコミカル。
シルエットはムーミン。よく見れば「がんばれタブチ君」
ナルトのほっぺを描けば、「天才バカボン」にそっくりです。
職場に戻ったら、僕の顔を見た上司から「いやー、今日はもう帰りなさい」
と暖かい言葉をかけられました。
デスクにうつむきながら「プッ」と笑いをこらえたのを僕は見逃しませんでしたが。
うわー、麻酔がきれてきた。唾を飲み込むのも痛いよー。
そんなわけで、もう寝ます。
みなさんも歯をお大事に。
20000606

たとえ、どんなに新鮮で独創性に満ち
非の打ち所がないほど論理的で
誰が読んでも理解が可能なほど明晰な論文を
学会誌に華々しく発表したとしても
それがあなたへのラブレターでなかったとするなら
僕の研究なんて街角で配られるティッシュ程の価値もない。