忘れ物はもうありませんねと / 機関車は走るのです
君はいつでも僕の影を踏みながら / 先へ先へと走るのです
乗り遅れまいと急ぎ過ぎた僕は / もう止まらないレールの上
あい色した嘘の煙を吐きながら / 僕は君を愛しているんだ
目がつぶれ / 耳も聞こえなくなって / それに手まで縛られても
(c)小坂忠 / 機関車 1971
たとえば
そのちからは
ぼくから仕事を奪うことができる。
そのちからは
ぼくから社会的信用を奪うことができる。
そのちからは
ぼくから家を奪うことができる。
そのちからは
ぼくを投獄することができる。
そのちからは
ぼくを後ろ手に縛り、目隠しをさせ、
猿ぐつわを噛ますことができる。
だけど
そのちからは
ぼくの魂に
指一本ふれることはできない。