ビル・ヴィオラ(Bill Viola)は、僕自身に大きな影響を与えたアーチスト
彼の大規模な展覧会がヴァレーゼ(Varese)のパンツァ宮(Villa PANZA)で開催されていた。
外観は、典型的なイタリア貴族の屋敷だが、邸宅の内部に入ると、そこは現代美術のための
空間となっている。ダン・フレヴィン(Dan FLAVIN)の作品も常設展示している。
これはドラム缶にはられた水の中に眠る男が映されたブラウン管が沈んでいる初期の作品
ビデオアートの先駆者のひとりとして知られるビル・ヴィオラだが、彼の在り様はむしろ哲学者
であり、思想家でもあり、宗教学者のようでもある。
ヴィオラの作品はよく「動く絵画」といわれ、人間の振舞いや存在そのものと向き合っている。
一瞬絵画に見える象徴的なイメージは、ハイスピードカメラで撮影されており、
スーパー・スローモーションの使用により、永遠のように感じられる。
今回、彼のモチーフで強烈な印象として残ったのは「水」だ。
生と死の間に、現実と夢の間に、過去と未来の間に、そして自己を映し出す鏡として
どの作品にも水が介在していた。あらゆる命のルーツとしての「水」なのかもしれない。
ミラノ・ヴァレーゼ近郊にお住まいで、何らかの表現の分野に関わっている人々には
是非足を運んでほしい展覧会です。
展示の情報を下記に記載しておきます。
[REFLECTIONS – BILL VIOLA]
開催場所:Villa e Collezione Panza, Varese
al 12 maggio al 28 ottobre – In mostra le undici installazioni di Bill Viola, simbolo della video arte, scelte e pensate dall’artista americano in dialogo con l’architettura del luogo. Le opere creano un viaggio di spiritualita e di energia dal quale il visitatore uscira completamente trasformato.
+ INFO E PRENOTAZIONI
Dal 12 maggio al 28 ottobre
Villa e Collezione Panza
Piazza Litta 1, Varese
Orari:
Da martedi a domenica dalle ore 10 alle 18.
Dal 14 giugno, apertura speciale ogni giovedi dalle ore 10 alle 22
(in questa occasione il Ristorante Luce proporra la Cena in Viola)
Chiuso il lunedi
10年前の今日
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日曜礼拝の後に
猛暑がぶり返したミラノ、日曜午後の礼拝では、会堂の温度も上昇しました。
旅から帰ってきた人、これから旅立つ人、夏もミラノで仕事がある人、そんな8人が牧師館に
集って夕食、リグーリアで買ってきた生のジェノベーゼ・ペーストのパスタを分かち合いました。
夕食の後、皆で映画『ミシシッピー・バーニング』(Mississippi Burning)を観ました。
1964年に米ミシシッピ州フィラデルフィアで公民権運動家3人が殺害された事件を
モデルにしたノアラン・パーカー監督による1988年のノンフィクション映画です。
この映画が描き出してる怖いところは、人種差別が公然と行われている町の人々は
KKKという歪んだ神学をもちながらも、自称クリスチャンとして信仰深いところ。
映画の重要なカギを握る、町の女性が「私たちの憎悪は聖書からの教育」と語り、創世記
9章27節を引用し、差別の根拠がノアの息子セム、ハム、ヤペテの三大人種起源説を示す。
アカデミー撮影賞受賞作品だけあって、映像による心理描写も秀逸だし
なんといってもジーン・ハックマンとウィレム・デフォーが演じるFBI捜査官が良い。
映画を見終えた後、皆で少しディスカッションをし、不純物の入った信仰の怖さについて
それぞれ感じたところを分かち合いました。いやぁ、映画って本当にいいもんですね~。
10年前の今日
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ポルトヴェーネレ マドンナ・ビアンカの夜
昨夜はマドンナ・ビアンカ(Madonna Bianca)と呼ばれる、ポルトヴェーネレ(portovenere)
の年に一度のお祭りの日で、島全体がミサのために蝋燭でライトアップされていました。
1399年、フランス統治時代のポルトヴェーネレは、ペストの蔓延により村が絶滅の危機に
瀕していたため、村人の1人がの聖母マリアの肖像画の前でペストの絶滅を懇願するや否や、
その肖像画が光を放って輝き始め、ペストが消滅したという言い伝えがあるのです。
この夜は、旧市街に祭りを見るための人々が詰めかけ、もの凄い人混みとなっていました。
教会で礼拝を捧げた後、祭列は街を下り港を目指します。
ポルトヴェーネレ最後の夜は、祈りの声と共に更けていきました。
10年前の今日
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ポルトヴェーネレ 旧市街
ポルトヴェーネレの海は、今日も深い群青色
旧市街の路地は細い坂道、生活感が漂う迷路のようです。
素敵な、セラミックの工房がありました。
岩の上から海へ飛び込む少年たち
潮風を受けながら黙想するご婦人
旧市街から見下ろす湾
旧市街から見下ろすワンコ
旧市街の中腹にあるサン・ロレンツォ教会
グレーと白の大理石のストライプが美しい青空とのコントラストをつくっています。
誰かが描き残したキリストの肖像画
サン・ロレンツォ教会の先から見下ろせるサン・ピエトロ教会
旧市街の頂上は旧い城跡、石の階段を一歩一歩進みます。
城の庭にはオリーブの木があって、その下で白い猫と黒い猫が、寄り添っていました。
城跡から眺めるポルトヴェーネレの街、かつてこの街を収めた王は
どんな心で、この景色を眺めて暮らしたのだろうかと、思いを馳せました。
10年前の今日
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パルマリア島 ひと夏の恋
ポルトヴェーネレの沖合に浮かぶパルマリア島(Palmaria)に渡りました。
1997年に「ポルトベネーレ、チンクエテッレ及び小島群(パルマリア、ティーノ及びティネット島)」
として世界遺産(文化遺産)に登録されたスペツィア湾の西の外れに位置する島ですが、
ボートでしかアクセスできない、手つかずの海岸が残っています。
最初は一匹で、伸び伸びと波と戯れていたハンナ
しばらくすると、ボートに乗ってやってきた一匹の雄犬と目と目が合いました。
ハンナを見るなり、ボートから泳いで渡ってきたその犬と、フィーリングがあったらしく
しばらく楽しそうにビーチで戯れあっておりました。
しかし、飼い主から「そろそろ出発するぞー。」と声がかかると、雄犬は再びボートへ
ひと夏の恋は、あっけなく終わりを告げたのでした。
ボートが水平線の向こうへ消えるまで見つめていた犬のムスメ
ひと夏の恋は、海の水のようにしょっぱくて、せつないねー。
10年前の今日
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チンクエ・テッレ
チンクエ・テッレ( Cinque Terre)は、リグーリア海岸沿いにある5つの村を指すことばで
そのまま訳せば、「5つの土地」という意味、1997年より世界遺産に登録されています。
11世紀に要塞都市として生まれ、それから1,000年もの間、隣の村との陸路もなく船での
往来しかできなかった孤立したこの漁村は、今も時を止めたままのような面影を残しています。
最初に船でアクセスした最東端の村、リオマッジョーレ (Riomaggiore)
どうしてこんなにも素晴らしい色感が、生活に溶け込んだのでしょう。
通りの壁に並べられたタイル群、絵柄がひとつひとつキュートです。
あまりに熱いので、犬のムスメと港で一緒に泳ぎました。
次に船の上から見た村、マナローラ (Manarola)
天空の集落、コルニリア(Corniglia)は、船での立ち寄りも簡単ではないらしく
海から眺めました。
昨年の秋、水害で大きな被害を受け集落、ヴェルナッツァ (Vernazza)に立ち寄りました。
復旧は進んでいたものの、いまだに土石流の爪痕が伺えました。
最後に立ち寄った最西端にあるモンテロッソ・アル・マーレ (Monterosso al Mare)
豊かな海岸線をもっていました。五つの村それぞれに、言葉に形容しがたい美しさでした。
10年前の今日
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ポルトヴェーネレ
ポルトヴェーネレ(Portovenere)はイタリア半島の付け根、リビエラ海岸の東端に位置する
世界遺産に指定された、海と断崖と集落が一体化した風光明媚な漁村です。
港にひしめく古い建物の色と形のリズムは、一体どのようにして決まったのでしょう。
断崖絶壁の上に立つ教会は、この村の歴史を見続けてきたに違いありません。
石の階段を上って、教会堂の内部にたどり着くと、祭壇の窓から潮風が吹いてきました。
10年前の今日
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レ・グラツィエ
レ・グラツィエ(Le Grazie)という、ポルトベネレの手前にある小さな港町におります。
ここのところ走り続けてきたので、数日間ここで静まりの時をもとうと思います。
バカンスシーズンでも、それほど人がごった返しているわけではない
程よい「寂れ感」があります。かつてはダイアナ元妃もお忍びで来ていたそうです。
犬のムスメにも、牧師家庭で育った故の「日々の気遣い」があるでしょう。
宣教犬にも、バカンスは必要です。
今日は桟橋で、暮れてゆく空をボーっと眺めて過ごしました。
10年前の今日
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ピアチェンツァとミラノでの礼拝 20120812
午前はピアチェンツァの教会で礼拝メッセージを取り次ぎました。
いつも魂をシンクロさせて、共に奉仕をしてくださる通訳のTaiさんは、
夏でもジャケットとタイをおしゃれに着こなしています。
午後はミラノでの礼拝、バカンスに行っている人、日本に里帰りしている人などが
多い季節ですが、日本から旅行中の方なども礼拝に集ってくださりました。
礼拝後はナヴィーリオへ繰り出して、運河沿いのリストランテにて皆で夕食を共にしました。
10年前の今日
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シンドラーのリスト
シンドラーのリストは18年前の公開当時、僕は美大生で、周囲で話題になったのに
敢えて観に行かなかった。
(同時代に、同じ監督によって制作されたジュラシック・パーク は観に行った。)
だから、なんだか未履修の単位のように、この映画は僕の宿題だった。
ずっと手元にもったまま開封することのなかったDVDを意を決して開封し、
三時間を超える大作と向き合った。
白黒の画面を通して歴史の目撃者にされるような感覚を覚えつつも、単に
「昔、こんなひどいことが、あったのだ。」という感想を超えて、聖書に記された
イスラエルの民の歴史と、彼らに対する約束や預言と重ねながら、鑑賞した。
今も、映画の感想を咀嚼しているが、自分にとっては、やはり観る準備に
時が必要だったと思わされました。
10年前の今日