空港で見送るのは好きじゃない。
「じゃあね」のタイミングがわからないから。
早稲田通りで見上げた皆既月食。
墨汁を滲ませたような、境目のはっきりしない
曖昧なグラデーションが月を包んでいた。
20000714
コビまで連れて行くのかい?
20000713
今朝はいつものモノレールを乗り過ごしてしまった。
おまけに、指輪をし忘れて家を出たことにも気づく。
なんだか最近、自分のメモリーは明らかにリソース不足
無理にたくさんのウィンドーを立ち上げた古いパソコンみたい。
昨日まで練り直した資料を持って午前中のプレゼンに臨む。
やっと次の段階へ進められる手応えを得る。
あとは、自分がプロジェクトとして具体化して行けるかが問われるのだ。
夕方、プログラマーの人が送ってくれたビデオが届いた。
早速観ながらコメントをまとめようと思ったけれど、しばらく頭を休ませることに決めた。
明日は休暇を取ろう。
「スポーツ選手はインターバルのないトレーニングはしない」
最近そんな誰かの言葉を聞いた。
考え事ばかりしていると、誰も望んでいないリニアモーターカーのように
ただただ突き進んでしまいそうになる。
だから、しばらく頭をほったらかしにしよう。
そんなことを考えながら帰途につくと中央線の網棚にVAIOノートを置き忘れてしまった。
われながら脳みそがやばいなと自覚を深め駅員さんに泣きつき、祈る思いで探してもらう。
無事、終点で回収されたことを聞き安堵。
高尾駅まで取りにいった。
はー、高尾。遠いよ。
20000712
丸の内の東京国際フォーラムへコンサートを聴きに行く。
声ほど素晴らしい楽器はないと思う。
まるで上質の毛布にくるまるような
そんな唄を聴いた夜だった。
20000711
夢が叶いそうな予感がすると、とても怖くなる。
自分の手の中に届く寸前に粉々に散ってしまう。
そんな想像をして何が起きても落胆などせぬよう
卑小な僕は心の備えをする。
いつでも、来年の自分が何処に立っているかさえ知らない。
僕は、僕を運ぶ緩やかな水流に身を委ねる。
今この目に映る光景はあまりにもはかない。
ひとつの所にとどまっているわけにはいかない。
だから、川縁の石を拾って小さな柱をこの場所に建てよう。
もう一度あの家に帰ることを願う旅路のために。
20000710
インターネット通販で、ハワイコナの珈琲豆を注文した。
届いた小包を開けたら、出てきたのはコビだった。
というのは嘘で、最近その空き箱がものすごく気に入っているらしいです。
ジャストフィットな感じが、たまらないんだそうで。
20000709
今日も見かけた、お馴染みの自由ネコ
いつもお腹をすかしてないている。
しゃがみ込んで話しかけてもすり寄ってくることはしない。
いつだって警戒態勢をくずさない。
町内会でエサをやらない取り決めをしたり、ゴミ収集所にネットを張ってから
だんだん痩せてきているみたい。
コビをはじめて見かけたときに似ている。
だけどコビはすぐに媚びてきたから今のコビになったのだ。
おまえはやせ我慢して、媚びずに生きているんだな。
だけど、自由もなかなか大変そうだ。
20000708
台風一過。
夕方から文京シビックホールへ
バッハのカンタータとマニフィカトを聴きに行く。
神に捧げられた音楽。
20000707
小学校での研究授業は今学期は今日で終わり。
いつもと違う駅でおりて朝早い新宿の裏通りを歩く。
「小学校への近道はこの道でいいんだっけ」と少し不安になっていると
路地裏から出てきたネコに先導された。
そういえば、先週子供達と写真を撮りながらこの道歩いたよ。
「ネコ道」と名付けられていたのを思いだした。
20000706

虹が出たなら 君の家まで
七色のままで とどけよう
THE BOOM / 「虹が出たなら」
20000706
一日デスクにかじりついても
手元に何も形あるものを残せず
その日の仕事を終えることがある。
そんな時には、たとえば
一日かけて一足の靴を仕立てるような
そんな仕事にあこがれを抱いたりする。
いつだって、今ないものを求めてしまう。
それは僕の弱さなのかもしれない。
イタリアから帰国して、ガラスの房を主宰している
高校時代の友人から、作品展の葉書が届いた。
彼女の工房から生み出された
光りの結晶を、早く手にとってみてみたい。