早朝の便でミラノへ発つ相棒と空港のゲートで手を振って別れた。
帰りの道すがら、川村記念美術館へより[ATLAS(世界地図)]と題された
ゲルハルト・リヒターの回顧展を観る。
膨大な数のスナップ写真やコラージュが壁面に整然と展示されている。
被写体への感情移入をさけるような眼差しと遠い記憶に触れるような映像のゆらぎに
心地よい既視感を覚えた。
20010418
目が回るような日々
だけど悪くない疲労感
外苑前のOFFICEで夕食をとりながらプロジェクトメンバーとミーティングを
しているときに実家から携帯に電話がかかってきた。
姉が帝王切開で無事男の子を産んだという知らせ。
元気に産声をあげたというルーキーに早く会いに行きたいと思った。
20010408
日が長くなった
夕風がここちよい
スーパーに牛乳を買いに行く。
ついでに、ピーマンとソーセージも。
店先の駐車場で、コビによく似た尻尾の長い野良猫をみつけた。
こちらがしゃがみ込むと、甘えた声で寄ってくる。
お腹には赤ちゃんがいるようだけど、痩せている。
どこで仔猫を生んで育てるつもりか知らないけれど
健闘を祈るよ。
20010407
競争心や相互不信
嫉妬や陰口までもが当たり前についてくる
たとえそうだとしても
自由であることがなによりも大切だ。
取り込まれずに、むしろ全部飲み込んで
何食わぬ顔して歩いていくんだ。
美しいものを共有できる人達と一緒に
20010406
朝にはパンの焼ける匂いがする。
画箱を開けた時のテレピンオイルの匂い。
重くて分厚い扉を開けると広がる静寂
少しカビた壁、ホールの匂い。
氷が、ちりちりと融解するように
僕は僕自身に戻ろうとしている。
20010404
衛星放送で「羊たちの沈黙」を観た。
ちょうど10年前の映画だ。
公開当時は仲間内で結構盛り上がって
よく話題にしたことを想い出した。
あのころ映画論をよく交わした友人達は
今どうしているのだろう?
10年て、色んな事が変わってしまうには
十分すぎる時の流れなんだ。
20010403
やぁ15才のあなた
僕は帰ってきたよ。
はじめてあなたと出会った場所へ
時空はまるでループみたいで
いま何処に立っているのか
進んでいるのか、戻っているのか
時々わからなくなるよ。
だけど嬉しいんだ。
今の僕は、水を得た魚だ。
20010328
研究所にて、恭しい式典のもと僕の一年間にわたる研究事業はピリオドをうった。
式場からは、眼下に満開の桜がみえる。
季節が一回りしたのだ。
一年前、式辞を述べた研究所所長は3ヶ月前に他界した。
38年間続いたこの事業も財政難の折り、今日の式典をもって撤廃され研究所も姿を変える。
暫定的に就任した所長代理の訓辞は、役人にしては冴えている。
そう、感心していたら、あとになって信頼している上司から
「あの原稿、実は俺が書いたんだよ。」とうち明けられた。
官僚はいつも、自分の言葉を持たないし決して地雷を踏んだりしないのだ。
この一年間、不思議の国にいるようだった。
僕も失敗は許されなかったし、うまくダンスをするよう心掛けた。
色んな人たちに出会った。
息を飲むようなロジックを構築し、知的機動戦に長けたクレバーな人が多かったけれど、
人間味という点で中身は空っぽという人種も少なくなかった。
もっとも、行政の中核に上りつめたいのならそんな「中身」など必要としない。
夕方からは目黒で、部署を超えて交流のあった同僚とシンパシーを感じていた
上司の11名で飲んだ。
「君たちとは、もしかしたらもう会えないかも知れないけれど」
と前置きして話してくれた上司の言葉がなんだかとても誠実で
少し救われた気分になるとともに、終わったのだなと実感した。
二次会の誘いは断り、一人帰る夜道で仕事をやり遂げた自分を少し誉めたくなった。
こんな日は、あなたがいてくれると良かったのに
20010327
朝、テレビのリモコンをソファに放り出したままで出かけたのだけれど
夜帰宅するとテレビがついていた。
僕のソファを占領して、テレビを観ていたコビが
「おそかったじゃない」みたいな顔してこちらに振り返る。
昼間っから、テレビはついていたのだろうか?
ひょっとして「みのもんた」とか出ている番組なんかをコビは毎日観ていたりして・・・
20010326
夜はKが来て、ミーティング
最近は、慢性睡眠不足なり