19980527

一限目から、授業が連続の日だった。
一限目を終えた休み時間、Y本が美術室に来た。画用紙がほしいという。
理由を聞くと、昨日の「教卓のラクガキ」を隠すためだという。
まだ、当事者はまだラクガキを消していないので、ラクガキを書かれた先生
の授業が始まる前に、画用紙で隠しておきたいのだそうだ。嬉しい申し出だった。
5限目、ホームルームに行くと、ラクガキを消した痕跡があった。当事者達(T田
・T中)が消したのだそうだ。Y本の効果もあったのだろう。
あえて、ホームルームでは触れなかった。
放課後、嬉しい訪問者。昨年度、1月に退学したN子だった。
彼女は、学校にはなじんでいて、進級も問題なかった。
なのにある日の朝父親から「事情があって退学させたい」との申し出があり、
こちらの説得にも親は「家庭のことに口を出すな」と耳を貸さず、
その日のうちに退学となってしまった。
「勉強なんていつからでも始められるから、そう思ったらいつでも訪ねておいで」
といって、握手をして見送ったが、ずっと心残りの生徒だった。
「じゃあ、ジュースでも奢ってやろう」といって、美術準備室で話をした。
彼女は「学校をやめたことを少し後悔している」と言った。
いまのバイト生活は、時々不安に襲われるのだそうだ。
「学校を一度離れて感じたこと、見えてきたものを大切にしなよ。」としか言えなかった。
そして、まだどんな選択肢も選べるのだということを、僕が想像のつく限り、具体的に提示してみた。
「25才くらいになった自分は、どうありたいか想像できる?」と訪ねてみた。
「夢を少しか叶えていたい」と答えた。「また相談に来るかも」
といって、帰っていった。

投稿者:uchimura_it|Comments (0)

コメントしてください

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です