5年に一度、ドイツのカッセル(kassel)で開催される、世界最大の国際アート・イベント
ドクメンタdOCUMENTAを観に行きました。今回で13回目を迎えます。
今回は美術評論家のハンナ先生(雑種犬)も、広大な会場を一緒に巡ってくれます。
まずハンナ先生が、一番最初に駆け寄った作品、
あ、これは只のアイスクリーム移動販売車ですね。
こちらは、第13回ドクメンタの作品の中で一番最初に会場に設置されたという、
ジュゼッペ・ペノーネ(Giuseppe Penone)の木と巨大な石の作品。”Ideas of Stone”
2010年からずっとこの場所に立っているそうですが、木自体が造りものです。
確かに作品はコンセプトや、その背後にあるテキストも大切だけど、何よりも、
視覚的に、また空間的に語りかけてくるものが大事、とハンナ先生
日本代表は大竹伸朗さん、僕にとっては美大生時代からの憧れの作家です。
一見バラックのように見える「スナック・モンシェリー」は現在の日本の肖像のようです。
内部を覗き込むと、すごい創り込みでエネルギーがみなぎっています。
建物の四方には、船が配置されていて(よく見ると木の上にも)、海洋国家でありながら
全ての隣国と領土問題をもっていて、アジアの一員になりきれないけれど、紛れもなく
アジアな我が母国の姿と重なって見えたのだけれど、深読みが過ぎるでしょうか。
ドクメンタ会場内では、ひときわ大人も子供も惹きつけている作品でした。
こちらは、民家を展示空間とした作品
何とも言えない、テラコッタのオブジェが生活空間を占拠しています。
こういう、誰にも依頼されていないのに、情熱を傾けてしまう「おバカなこと」(褒め言葉)
が社会の中でちゃんと許容されているということがアートの存在義なんですよー(byハンナ)
これも印象に残った「おバカ作品」(褒め言葉)、水面で鏡面対象になったような空間
実際には水は貼っておらず、上下にシンメトリーな空間をつくった家です。何故創った?
会場となったKARLSAUEと呼ばれる庭園はとにかく広く、一日では野外設置の作品を
すべて見て歩くことは困難かもしれません。多くの人はレンタサイクルをしていました。
ちょっと歩き過ぎと、許容量を超える情報の嵐で疲れてしまったハンナ先生
水辺で少し昼寝をして、アイスクリームを食べて、体力を復活させました。
僕が、野外設置の作品で好きだったのは、森の中のサウンドインスタレーション
放射状に、チャンネルを振り分けて設置されたスピーカーが、様々な状況を想像させる
迫力満点の音を森の中に響かせていて、人々の意識をしっかりと掴んでいました。
20:00を過ぎて、オランジェリー会場の空も夕暮れてきました。
一日中、アートを巡って足が棒になりました。美術館賞はスポーツですので体力が重要
ハンナ先生、今日も一日お付き合い頂き、美術解説有難うございました。明日もよろしく。
10年前の今日
←今日もそこにいてくださってありがとう。