I will not leave you until I have done all that I have promised you.”
Genesis.28:15
わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。
わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう。
今、部屋の窓から見えなくなった夕日は、愛する母国の朝焼けとして
一日のはじまりを示す,光の色彩を放っている。
今、部屋の窓から見えなくなった夕日は、愛する母国の朝焼けとして
一日のはじまりを示す,光の色彩を放っている。
東京に暮らす友人から、「写真用のアルバムをリサーチして欲しい」と頼まれていたので
散歩がてら猫ウォッチングもしつつ、ブレラ界隈の職人が開いているお店を訪ねてまわる。
イタリアにおいてフォトアルバムは、人生を封印する特別な私家本だ。
表紙の素材は、鞣された皮や漉き紙などで、丹念な職人仕事によるものが多い。
ひとつひとつのアルバムを、丁寧に説明して見せてはくれるけれど
店によっては「写真撮影はしないで」と言われることもある。
「トーキョーには上手にコピーする人もいるから」
この国の人は、記録することや複製する行為にはとても慎重だ。
足を棒にして歩き回った日だったけれど
一日の終わりには、美しいホリゾントの夕空がみえた。
ここのところ曇天や雨の日が続いていた。
今日は朝から秋晴れの心地よいが続いている。
自分の心持ちが、天候に左右されて振れるのがよく解る。
晴れた日には、テラスから外の景色をよく眺める。
目下は公園で、お母さんに連れられた子ども達が
ブランコや滑り台でいつまでも遊んでいる。
お母さん達は、子どもから目を離さす
「アモーレ・ミーオ(私の愛する子)」「イル・ミオ・テゾーロ(私の宝物)」
と呼び掛けている声が聞こえる。
こんな風に幼い頃から。
愛の言葉を受けて育っているのだ。
僕の家は、3月22日通り(Via XXII Marzo)に面していて
道を挟んでグランディ広場(Piazza Giuseppe Grandi)が見える。
噴水のまわりで一日過ご老人、犬を放し飼いにする人
夜には、若者達がベンチにたむろする。
風が少しずつ冷たくなってきている。
公園の緑が、色を変えはじめている。
そんな理由で捨てることは「バカンス捨て」と呼ぶほどメジャーな現象なのだそうで
今年は130,000頭の犬が捨てられたと報道されていた。
時々街の中で、飼い主を探し、待ち続けている犬に出会う。
高速道路の休憩所やスーパーには、動物愛護団体がキャンペーンポスターを張っている。
こんなキャッチコピーだ。
「もし、あなたの犬や猫が言葉を話せたとしたら、なんと言うでしょう?言葉が足りない・・」
東京の実家においてきたコビのこともよく思い出す。
コビが言葉を話せたら、僕に向かってなんていうのかな
So he came to a certain place and stayed there all night, because the sun had set.
And he took one of the stones of that place and put it at his head, and he lay down in that place to sleep.
Then he dreamed, and behold, a ladder was set up on the earth, and its top reached to heaven;
and there the angels of God were ascending and descending on it.
Genesis.28:11-12
引っ越しをした。
7階にある部屋からは公園と、日の沈むカテドラルが見える。
大家さんはお向かいに住んでいて、
昔から大切にしてきた家具を部屋に備えてくれていた。
下の階はカフェで、男達が一日中おしゃべりをしている。
引っ越しの度に物や服をたくさん捨てる習慣がついた。
いつも一つの街に長く住むことを願うのだけれど、
身軽でなければいけないのだと思ってしまう。
少なくとも、公園の木々が見せる一年の色彩を目に焼き付けたい。
He named the dome “Sky.” Evening passed and morning came-that was the second day.
Then God commanded, “Let the water below the sky come together in one place, so that the land will appear”-and it was done.
He named the land “Earth,” and the water which had come together he named “Sea.” And God was pleased with what he saw.
自分が望み、計画するままに全てのことが進んでいくわけではない。
8月中旬におさえていた、日本行きの航空券はとりあえず捨てることになった。
気持ちを切り替えて休暇をとり、知人からBMW X5を貸りる。
いくつものワインディングロードを登りつめ、ドロミテ山塊を目指す。
この一帯は、スタローン主演の映画「クリフハンガー」のロケ地になったのだそうだ。
車を置いて山を登り、高度3000メーターを越えたところで、自分があまりに軽装で来たことに後悔をする。
氷で覆われた尾根を、景色に目を奪われながら歩くと、何度も谷底に滑り落ちそうになる。
まわりのハイカーは、誰もが登山靴を履いているのに、僕だけユニクロのゴム底靴を履いているのだ。
岩場に這い上り、目を上げると、360度のパノラマが拡がっている。
その造形はあまりにも美しく、何処までがイタリアで、どこからがウィーンやスイスか?
という問いは、何の意味もなさない。
知らない言葉が交差して混乱しているのに、強烈に懐かしい景色が網膜に焼きつけられていく。
僕は家出をしているのだろうか?それとも故郷に向かう旅路にあるのだろうか?
デュッセルドルフのK宅に2日間ほど寄せてもらう。
もう3年連続で、夏の良い時を彼らと共に過ごしている。
ケルンの大聖堂を仰ぎに繰り出し、MusicstoreでこちらのPA機器をチェックする。
夕刻にラインの川沿いでソーセージを焼き、虫の音に耳を澄ます。
空気を深く吸い込み、リセットボタンと起動のボタンを同時に押す。
新しい土地へ向かう備えをする。
毎年、そんな時間を共に過ごしてくれる友に
心からの感謝を
昨夜はホテルの部屋がうだるように暑く、眠れなかった。
ホテル前の通りでは、若者達が遅くまで話し込む声が聞こえた。
断片的に聞こえてくる異国の言葉
目覚めてから朝市に行く。少しだけ聞き覚えのあるフランス語
呼び込みの声すら音楽のように聞こえる。
日照り続きで、果物や野菜の色が痛いほど目に鮮やかだ。
国立の自動車博物館を覗いてからミュールーズを後にし
昼に国境の町ストラスブールへ行く。
パキスタン料理屋で久しぶりにカレーを食べ
カテドラルを訪れた後、フランスの国境を越えた。
スイスの国境を越え、さらに距離を伸ばし、夕刻にフランスのミュールーズに辿り着く。
匿名的な静かな町の広場には大きなカテドラルがある。
レストランのメニューにはカタツムリもカエルの足もある。
喜んでオーダーをして、ビールとワインを飲んだていたら目が廻ってしまった。
ここのところ続いている熱波に、少し体が弱っているみたいだ。
日曜日が終わる。
嬉しいことがあったので、友人達と運河沿いのピザ屋へ行く。
店は、サッカー観戦をしながらビールを飲みたい客で盛況
ドイツから来ている友人にビールを解説してもらって皆で乾杯する。