期末試験が2日後と迫っているのに、依然、学校に現れない穴亀君(仮名)に電話をした。
「元気?」
「..元気です」
「もうすぐ、試験だぞ、どうする?」
「行きます」
「そうか、教科書とかはあるの?」
「学校です」
「・・・だいぶ、各教科の欠時がかさんできちゃったな、わかるよね」
「はい」
「法定時数を、欠時が越えちゃたら手遅れになるんだ」
「はい」
「卒業したいとは、思ってるんだよな」
「思ってます」
「毎日学校に来いとは言わないけど、卒業したいなら、
やらなきゃいけないことと、自分とのバランスをとらなきゃいけないな」
「はい」
「2学年と、1学年の時のクラスの雰囲気って変わった?」
「変わりません」
「クラスで、イヤなことってあるか?」
「いえ、無いです」
「誰とよく話す?」
「猿見君とか」
「猿身が心配してたぞ」
「はい」
「猿身と、電話で話したりするか?」
「一度あります」
「毎日、家にいるのか?」
「はい」
「何してる」
「何も」
「明日は、試験の前日で、後は9月まで授業無いんだから、
試験範囲も分かるから、登校すると良いと思うけどな」
「..はい」
「教科書だけでもとりにおいで」
「はい」
「又、話そう」
「有り難うございました」
彼は、質問に答える以外の話は絶対しない。
だから、こちらが質問続けることでしか、会話(?)は成立しない。
自分が、彼に問いかけた言葉の無意味さを振り返り、
自分がアホ教員に思えた。