ミラノ郊外は、今日も霧に包まれていて、なんだか夢の中を歩いているような一日でした。
そういえば、最近不思議で、そしてとても素敵な映画を観ました。
黒沢清監督の「岸辺の旅」
夫の優介(浅野忠信)が失踪してから3年たった妻の瑞希(深津絵里)のもとに、突然失踪した夫が帰ってくる。
そして優介に「いろいろ美しい場所があるんだ。」と誘われるまま、旅に出るふたり。それは夫が失踪してから、自宅に戻ってくるまでの3年間でお世話になった人々を訪ねていく旅
そういう映画だ。
日本では2015年に上映されたみたいだけれど、そんなにヒットしなかったのかな。
第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で、日本人初の監督賞を受賞した作品で、欧州では評価が高い。
40代の男女の愛や、心模様を描いた作品って、日本よりも欧州の方が多いかもしれない。
上質で緊迫感のある室内劇の要素と、ロマンチックなロードムービーの要素が重なっていて、光や音の演出もあいまって、心の奥深くに染み入ってくる映画でした。