デュッセルドルフから、アウトバーンで北へ500キロ
ボルボ850ワゴンに、食料とテントを積んで走った。
ハンブルグ付近の、地図に示された小さな町
そこまでくれば、その日限りの誘導表示が用意されている。
あとはその「しるし」に従って車を走らせれば
地名すらわからない広大な土地にたどりつく。
2日目の夜に、満天の星空の下で死の谷を歩いたように思えた。
もしこのまま死ぬのであれば、そうなった経緯を
自分の愛する人には知って欲しかったなと考えた。
「馬鹿だな、信仰の薄い人だ。」そう聞こえた。
それは、叱責でも揶揄でもなく、優しい声だった。
手が差しのばされて、僕は声をあげて笑った。
チャイの屋台で、甘いチャイを飲み夜明けを待った。
横には、僕の友人がいた。
そこは、この長い旅の最終目的地であり、答えだった。