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朝からずーっと雨が降っている。
アパートの中庭を挟んで向かいの部屋から
フルボリュームでデレビのクイズ番組の音がする。
15:00をすぎてから、傘をさして街へ出ることにする。
トラムに乗っていても
カフェにいても
広場にいても
とにかく至る所で携帯電話の着メロが鳴り響いている。
通話の音声もフルボリューム
それがこの街の音に関する印象だ。
マナーがどうのこうのとかいう以前に皆がこのコミュニケーションツールの
虜になっていているという感じ、現に誰も迷惑そうな顔などしていない。
ラテンの人間に携帯電話なんて恐るべき組み合わせだなぁと苦笑してしまう。
ドゥオーモに出て、市立現代美術館を探したが地図の場所にはなくて諦める。
ガレリアでビクトリノックスのナイフを買う。
プラダの本店には日本人が溢れている。
スォッチショップでは、店員がそれぞれ顔にメークを施して、新作の”スキン”を填めて
ビートに合わせて店のエントランスで踊りまくっている。
ディスプレイというよりはファッションショーだ。
ヴァージンメガストアでは、マドンナの”Music”の発売イベントらしく、ショーウインドウの中で
ストリッパーが、マドンナの曲に合わせて尻をふり、皮の服を脱ぎ捨てていた。
こちらに来てからも、よく仕事の夢を見る。
旅に出るたびに思うことだけれどそこがたとえ重厚な歴史に彩られていたり
美しいビーチをもつ南の島だったとしても地上に楽園などないのだと思ってしまう。
そこには、その土地の人々の生活があり貧富があって、孤独や享楽があり
皆、晴れた日には洗濯物を干したりしているのだ。
そして僕は、ぼちぼちと突然の休暇届を突きつけて長く席をあけた職場に買っていくのに
ふさわしいイタリアの土産ってあるのかな、などと考えたりしている。

投稿者:uchimura_it|Comments (0)

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