約束のAM10:00に少し遅れて新宿南口のタワー・レコードの前にてSAGEと会った。
髪を後ろに束ねていた。瞳の光彩から、知恵に満ちている青年だと思った。
初めて会ったような気がしなかった。
彼の導きにしたがい、数時間後僕は宇都宮の大きな民家の軒先に佇んでいた。
なつかしい。
今はもう訪ねることができないかつて幼い頃をすごしたある家のことを思いだした。
やがて、次々と人が現れた。
どんな異種のプライマルとさえ結びついてあらたな分子構造に発展してしまう
開放系の人々
かつて、同じ時を過ごして夢を共有し、いまは離ればなれになってしまった人達のことを
思い返さずにいられなかった。
僕は、少しばかり感傷的な気持ちになった。
たぶん、蜩の鳴き声のせいだったり誰かが庭にうった水が蒸発するときの
匂いのせいだったと思う。
自分と外界を結ぶつながりが新たな発展をはじめるのを感じた。
これからのことを、すこしだけ明確に語りたくなった。
彼はメディアだったのだ。