19991017

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昨夜読み終えた、村上春樹の「スプートニクの恋人」の読後感良かったので
押入の奥から「ノルウェイの森」を引っぱり出して読んだ。
数年前、古本屋の店頭のワゴンセールで上・下巻セット100円という、
なかば、さらし者に近い状態で積まれていたのを買ったのだ。
この本をはじめて読んだのは高校生の頃で、
その頃の僕に、少なからずのインパクトを与えた。
当時「ノルウェイの森」はヒット商品として、ひとつの社会現象になっていたから
「好きな本」に挙げるのはちょっと恥ずかしかった。
その頃から12年たった今読み返すと、
作家自身が「文章を書く」という儀式を通して、
自分自身の体験を、ある種必然的に整理して、
私小説として編み上げた作品だったと感じ取れる。
年を重ねる事に、多くのことを失ってゆくのだとしたら、
どんな形にしろ「書き留める」という行為は無意味では無いと思う。

投稿者:uchimura_it|Comments (0)

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