父は生前、リウマチで外出が億劫になっていたというのに、症状が軽くなったときに
「映画を観にいくぞ。」といって「おくりびと」を観に行き、それが父にとって最後の映画になった。
その、映画「おくりびと」をDVDで、僕は今日ははじめて観ました。
映画には「父と子」、「父を赦すこと」、「父から愛されていたことに気づくこと」、そして
「天命を受けた仕事として、父をおくること」といったテーマが隠されていた。
父はこの映画を観ながら、僕のことを考えてくれただろうなと思った。
僕はこの映画を観ながら、父のことを考えた。まるで僕と父の映画だ。
こういうエンディングが待っていたのか、やられた、と思いました。
ところで、この映画には日本人の死生観、なかでも死に対する「けがれ」のイメージが
反映されていて、葬儀にかかわる仕事が、差別的に扱われている実態も描いていた。
例えば映画の中では、本木雅弘演じる主人公の納棺師に、幼なじみを演じる杉本哲太が
「もっとマシな仕事をしろ」とあからさまに非難し、自分の家族に「あいさつする必要はない。」
と言ったりする場面がある。
広末涼子が演じる主人公の妻は、夫の仕事を知った後に「触らないで、汚らわしい。」
と言って家を出ていく。実際に、こういう反応が世間で一般的なものなのだろうか。
牧師という仕事において、「葬儀の司式」は、その人が生きていたこの世界から、
新しい別の世界へ旅立つという、重要な「移行の儀式」です。
その大切な仕事で、一番最初に送ったのが僕にとっては父でした。
「おくりびと」として僕を指名して旅立って行った父に、とても感謝しています。
←今日もそこにいてくださってありがとう。
あの日、(失礼な言い方だと思いますが)
式はとってもおだやかで、美しくて、
触れられるかと思うほどの愛情に満ちていて。
お母様の背におかれたuttieさんの左手がうつくしくて
うつくしくて、涙が止まりませんでした。
お父様がうらやましいなと思ってしまいました。
>fuke
僕もあの日、司式の講壇からfukeさんが参列されているのがすぐに見えて、とても嬉しかったです。
本当にありがとう。
心にしみ入る素晴らしい感想。
ありがとうございました。