今朝、ドアを少し開けたスキにコビが脱走した。
コビは、何度か家出をはかり帰ってこなかった経験から、今は家猫にしているのだ。
お隣さんの車の下に潜り込み「私、ここから出ないわよ」言う顔をしている。
いくら「コォビィ~」と猫なで声で呼んでもシカトしてやがる。
いつもなら、鰹節を目の前にちらつかせば、その決心もすぐに崩れ、
ゴロニャンとこっちに来るのに、今日は違う。
「私は、自由を愛する!」という強い意志を表情に称え、こちらを見ている。
仕方ないので、奥の手。クイックルワイパーの長い柄で、
ぐりぐりと車の下から押し出して捕まえた。
その時コビは、僕に対して明らかに「何で、私を家に押し込めるのよ!
あんたなんか、ウィリアム・ワイラー監督の映画{コレクター}の、
テレンス・スタンプと同じよ!」という抗議の言葉を、視線に託して語っていた(気のせいか?)
今日も、うだるような暑さで、期末試験3日目。
生徒も、ゆでダコみたいになって、下敷きや、団扇で「あちーよー」と愚痴りながら、あおいでいる。
試験監督の僕は「机の上は、筆記用具のみ。団扇や下敷きはしまうこと!」と、試験
開始前に彼らに言わなければいけないのだが、「なんで、いけねーんだー」とブーイングが飛んだ。
この暑さだったら無理もない、僕が生徒だったらクーデターを扇動しているだろう。
山田詠美の「4U」という短編集に収められている「眠りの材料」という短編を読んだ。
最後に記されている言葉が、沁みた。