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千駄ヶ谷の津田ホールへ、高校の同窓生である
浦壁信二のピアノリサイタルを聴きに行く。
高校時代の彼は作曲を専攻していて、2年生のときに
パリのコンセルバトワールへ留学してしまったから
あまり交流はなく、それ以来会ったこともなかった。
演目はシューマンではじまり、スクリャービン・ドビュッシー
そして自作の曲などを含む小品を中心としたものだった。
どの曲にも、精錬されていてナイーブな感性と
独特な解釈を感じる、魅力的なものに仕上がっていた。
結構引き込まれて聴いてしまい、
おぼろげな彼の記憶が、鮮明に蘇ってきた。
だがしかし、演奏途中に聴衆のひとり(おばさん)の
携帯着メロ(千と千尋のテーマ・4和音)がホールに鳴り響いた。
おかげで心臓が飛び出るようなショックを受け
その後今ひとつ、音に集中できなくなってしまった。
そんなハプニングにも動じず、観客席を軽く一瞥した後、
繊細かつ完璧に演奏を続けた彼はえらい。
僕ならステージから駆け下り携帯を取り上げ、
放り投げてしまったに違いない。

投稿者:uchimura_it|Comments (0)

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