この一ヶ月のこと

【はじめに・空き巣被害のこと】
もう一ヶ月以上、自分の近況をアップデートできませんでした。
一番の理由は、10月2日(日)に自宅に空き巣が入り、パソコンをはじめ
身の回りの大切なものを、ごっそりと持ち去られてしまい、その復旧に
今日まで時間をとられていたからです。
物質的な面と、心の面で、それは、まあ、それなりのダメージが、ありました。
全てのことを益としてくださる神様が、全てを回復してくださると信じています。
イタリアで暮らし始めて、空き巣の被害に遭うのは、実はこれで二回目となります。
イタリアの窃盗団は、組織的で、空き巣に入る前に数週間にわたり、押し入る家の
生活パターンを調べるといわれています。
牧師の場合、日曜日は家を一日空けることがわかるので完全に
防ぎようがないといわれています。彼らは、入ると決めたなら、
どのようしてでも入れるプロ集団だからです。
彼らの鮮やかな手口により、そのつど、パソコンを失い、記念の時計や指輪を失い、
免許証などのIDを失い、クレジットカードをとめ、警察に出向き調査をとるなどの業務に
追われます。
なによりも、自分たちの大切な空間が、土足で踏みにじられるという感覚が
独特な傷を心に残します。
iPhoneとiPadを持ち歩いていたことで、人々のメールのやりとりや、SNSでの
情報発信(でも空き巣のことを書く気にはなれませんでしたが)も通常通り行え
またパスポートや滞在許可証、なども携帯していたので無事でした。
そのような中で感謝なことは、だれも身体的に傷つけられた人がいなかったこと
留守宅で泥棒と鉢合わせた犬も無事だったこと(番犬としての自尊心は傷ついたみたい。)
そして、日本からパソコンを運んできてくださったり、助けてくださった人がいたことです。
空き巣に遭う前日まで日本にいたわけですが、日本の日々を写した写真や
愛用のデジカメも失ってしまったのです。
しかし新しいパソコンの環境が整ってきましたので、
この一ヶ月間の素晴らしき日々のこと、神様に感謝したいこと、
皆様に分かち合いたいこと、などを記しておこうと思います。
【宮城県山元町での特別授業のこと】
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2011年9月21日に、先の震災で大きな被害を受けた、宮城県・山元町の
公立中学校で、特別授業の時を、全学年を対象に、各一時限ずつ持たせて頂きました。
今年の五月に、二度にわたり、避難所に野菜ジュースを計一万本届けに行ったことを機に
中学校の校長先生が、心の支援の一環として、このような授業を依頼してくださったのです。
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かつて、フランス・ストラスブールに留学されたいた頃に交流を深めたFさんが
この中学校に、この春から英語の教諭として赴任されていて、彼女と共に国際理解教育の
フレームワークを考え、ティーム・ティーチングで授業を展開してゆきました。
中学生たちは積極的に質問をしてくださり、対話形式で、イタリアのこと、世界のこと
宣教師の仕事のことなどを紹介しつつ、コミュニケーションを深めていくことができました。
高等学校で11年間教員をしていましたが、中学校での授業は私にとっても初体験
牧師になってはじめて、中学校の教員免許を用いる機会となりました。
これを機に、これからも継続的に関係を持っていれば幸いです。
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この日は、授業の後、山元町のFM局「りんごラジオ」に出演させていただき
この日の授業のことや、これからの復興支援のことなどをお話しさせて頂きました。
現地を再訪して感じることは、復興までの道のりはまだまだ続くということです。
イタリアでは、もう日本の震災のことは、すっかり報道されなくなりました。
イタリアで生き、日本を愛するものとして、自分にできることを、これからも
行動に移していかなければいけないと、あらためて思わされました。
【つぎに、TさんとYさんの結婚式のこと】
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9月23日に、東京・中野のシオンの群教会において、ミラノ賛美教会のTさんとYさんの
結婚式を執り行いました。
Tさんは2004年に洗礼を授け、Yさんは日本語教会設立以来、執事として忠実に
教会に仕えてくださった、そんな私にとっては家族のような二人の結婚式でした。
日本で暮らす家族や、親族、友人たちに、二人を出会わせてくれた神様を伝えたいと
日本での結婚式を希望されましたが、祝福にあふれたすばらしい式となりました。
【最後に、芳賀正牧師の思い出のこと】
日本からミラノに戻った翌日、10月2日の日曜(すなわち、空き巣に入られた日)の朝
フリーメソジスト小金井教会の芳賀正牧師が、天国に帰られたことを知りました。
私にとっては、霊的な意味で父親のような存在の牧師でした。
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いつも日本に戻るたびに、私を武蔵野のステーキハウスに連れ出してくださり
ご馳走してくださりながら、話を聞いてくださりました。
人から誤解されたり、ありもしない噂をたてられたとき、芳賀牧師はのんびりと
「いいじゃない、あなたにはイエス様がいるんだから。」といって、人に対しては
弁明したり、言い訳をしたりせず、ただ天を見上げていればいいと話してくれました。
別れるときにはいつも、駐車場に停めた車の中でお祈りをしました。
今年の冬、だいぶ弱くなられて、病院へお見舞いに行ったときも
私の方が祈ってもらった。それが、最後にお目にかかったときとなりました。
「魂の我が子へ」といつもメールの冒頭に書いてくださっていました。
もうそういうメールも届かないのか、しばらくは会えないのかと思うと
天国での再会の希望に感謝しつつも、寂しい気持ちにもなります。
随分と長い文章になってしまいました。
ここまで読んでくださった方に、心から感謝します。
皆様の上に、神様からの祝福と平安が、豊かにありますように。
10年前の今日
banner_01.jpg←今日もそこにいてくださってありがとう。

投稿者:uchimura_it|Comments (5)

コメント

  1. おおたに より:

    空き巣大変でしたね、ハンナちゃんが無事で良かった…私もやっと東京に震災後初の里帰りをするので大切に時間を過ごしてきたいです!

  2. michelle より:

    辛いご経験のシェア、ありがとうございます。
    uttieご夫妻とハンナに神様の慰めと祝福がありますように。
    芳賀牧師の「いいじゃない、あなたにはイエス様がいるんだから。」という言葉、まだ主を知らない多くの方にお伝えしたいと魂が燃えました。
    神様と共に歩み、光の子として生きられることに感謝します。
    お祈りしています!

  3. masami より:

    讃美歌405番が浮かびました。
    私の大好きな讃美歌です。
    毎日おなじ24時間で、自分は変わらないと思ってすごしているようですが色々なことがありますね!
    心の平穏がありますように!

  4. 日下ゆうか より:

    久しぶりにブログに遊びに来ましたが、いろいろあったんのですね…。ハンナが守られて良かったです。空き巣のトラウマが癒されますように。必要がすべてまた満ちていくのを見ることができますように。ご夫婦でよい時間が持てますように。
    芳賀正先生の思い出は、素晴らしいですね。ご本人は存じ上げませんが、こんなに素晴らしい霊の父と子の関係があるなんて、感動します。「いいじゃない、あなたにはイエス様がいるんだから。」というフレーズ…。人間関係で悩みやすい私にも響きました。自分で繕わなくていい(正直に言うべきことを言った後は)。ほっとする言葉です。
    ブログで分かち合ってくださって、ありがとうございました。
    (旧姓:犬島優佳)

  5. uttie より:

    >ALL
    コメント下さった皆様
    ながらく返信もせずに失礼しました。
    わりと重めなエントリーでしたが、
    このようにお声かけ頂けるとありがたいものです。
    そろそろ次のエントリーを更新せねば!

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