昨夜日本からミラノに到着された坂野 慧吉牧師と共に、リグーリア州の ジェノバへ
港側から旧市街へ入り、少し怪しげな裏通りを通り過ぎると小さな広場にでます。
そこには、赤と緑のストライプが印象的なサン・ピエトロ教会が建っていました。
地元の人には「お店の上の教会」と呼ばれているそうで、確かにこの教会は
何軒ものお店の上に建てられています。
聖なる神の教会と世俗的の店が同居した理由は16世紀にさかのぼるのだとか。
14世紀に火事で焼失した教会をこの地に再建しようという話が持ち上がっさい、
教会側にはそのお金がなく、資金提供を申し出たのが、ここで商売をしていた
お店の人たちだったと言われています。
教会は資金を提供してくれた返礼として、お店がそのまま下で営業を続けることを許可し、
世にも珍しい教会と店舗複合型の建物となったそうで「商人の街・ジェノバ」らしい教会です。
サン・ピエトロ教会のクーポラは見事なレリーフ、聖書の物語が刻まれています。
ジェノバの旧市街は、教会や貴族の宮殿と共存する、庶民の暮らしとのコントラストが
中世自治都市の栄華をと衰退を今も伝えてきていて、とても興味深い街です。
サンタンブロジオ聖堂には、驚くべきことにルーベンスの祭壇画がありました。
ルーベンスが、この地で描いたと推測される初期作『キリストの割礼』です。
このテーマは、キリストを描いたものとしては大変珍しく、卑俗的だという批判から
19世紀以降の絵画ではほとんど見られないものです。
ところで、教会でルーベンスの祭壇画を見上げていると、自分がフランダースの犬の
ネロ少年になった気がするのは僕だけでしょうか。
「パトラッシュ、ご覧、美しい絵だね。僕もう、なんだか眠いや。(天使が降りてくる。)」
現実には僕の横には雑種犬のハンナでしたが・・・
夕暮れの時刻に、ジェノバ近郊のボリアスコ海岸まで足を伸ばしました。
今回のジェノバ訪問の目的は、この街で医療研究者として暮らすHさんを坂野牧師と共に
訪問すること。
太陽が海に沈んでから、海岸沿いの食堂でH参とも再会し、楽しい時間を
共に過ごすことが出来ました。
10年前の今日
←今日もそこにいてくださってありがとう。
こんにちは。
素敵な写真に癒されます。
東京でお会いできるのを楽しみにしています。