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パヴィアは、日本の観光ガイドには紹介されないほどの小さく
ミラノからは車で40分ほどのところにある、豊かな町だ。
石畳の裏通りはひっそりとしていて、煉瓦造りの建物が多い。
僕は、はじめて訪れたこの町をとても気に入った。
動物のレリーフを施したサン・ミケーレ教会や
音楽学校を訪ねたあと、夕暮れ時のドゥオモにたどり着いた。
ドゥオモは改装中で、中へ入れないことになっていたのだが
司祭が重い扉を開け、中から顔を出した。
そして彼は急かすように手を取り、引き込むように礼拝堂へと誘い、
肩に手をまわして、抱き寄せるようにしてひとしきり語りはじめた。
「世界で一番美しいクーポラはヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂だよ
次がフィレンツェの花の聖母大聖堂。君はもうすでにそれを見た。
そして世界で3番目に美しいクーポラがこの大聖堂だよ。
フレスコ画も金箔も施されていないシンプルなつくりなのに
光が本当に美しく差し込んでいるだろう。
クーポラの半球は、この世界、すなわち地球を表している。
そして、そこに差し込む光こそが大切なんだ。」

投稿者:uchimura_it|Comments (0)

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