現在、ミラノ市内の二会場で開催されている、アニッシュ・カプーア (Anish Kapoor)
の展覧会を、現在ミラノで建築を学んでいるKanakoさんと共に観にゆきました。
カプーアは1954年インド、ムンバイに生まれ(現在ロンドン在住)1990年の
ヴェニス・ビエンナーレで英国館の代表も務めた、英国を代表する現代美術作家です。
僕は1992年にドイツで行われたドクメンタ9で彼の作品に出会い衝撃を受けました。
単純なフォルムや、シンプルなマテリアルを用いて独特な世界観を提示し、展示空間
そのものを異空間に変換し、観る人々を異次元に連れてゆくのが彼の作風です。
鏡面仕上げのステンレスの湾曲が、思いもかけない角度で風景を映し出し
自分たちの立ち位置を再確認させる体験や驚き、解放を感じることが出来ます。
圧巻だったのは、ミラノの工場跡地に設置された、巨大なトンネルのような作品
鑑賞者を、全く光を感知できない通路に誘い、自分がこの世界に生まれた時に通った
母親の産道を逆戻りするような、体内回帰的な感覚が呼び起こされる作品でした。
ミラノにお住まいの、アート好きな方は是非体験してみて欲しい展覧会です。
五年前の今日
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