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僕が生まれた福生はアメリカ空軍基地の町だった。
福生駅から、赤線通りの坂を登ると国道16号線にぶつかり、基地のゲートと
どこまでも続く金網のフェンスに遮られる。
そんな国道16号に面して、ピザレストラン「ニコラ」はある。
僕はここのピザより旨いピザにまだ出会ったことがない。
ニコラはデリバリーをしない。
だから店まで出向かなければいけない。
赤い絨毯やシャンデリアが最近のフランチャイズの店とは一線を画し
また、ピザトッピングの種類の多さに自分の決断力を試される。
「外食」が、家族の大イベントだった幼い頃の記憶のまま、ニコラは店の内装を変えていない。
ピザを持った等身大のニコラおじさんの看板が店の入り口にいつも立っている。
「ニコラ」は、日本ではじめてのピザレストランです。
戦後まもなく、六本木に一号店を出しました。
店のメニューには、そう書いてある。
ロバート・ホワイティングの「東京アンダーワールド」は、とても興味深いドキュメンタリーだ。
戦後の闇市からはじまり、現在の経済システムが完成していく過程を、
裏側から丹念に取材した大作
東京のマフィアボスと呼ばれたニック・ザペッティと交流のあったホワイティングが
彼の半生と、裏社会を見事に描き出している
GIとして日本にやって来たイタリア系アメリカ人ザペッティは
闇市で荒稼ぎし、そこで得た財を基に六本木にピザレストランをオープンさせる。
美味しいピザを目あてに諜報員、政治家、ヤクザ、右翼、芸能人、
プロレスラーなど、様々な業界の人が夜な夜な集まってくる。
そこで生まれたコネクションは、戦後の様々な疑獄事件と密接に関わり
ロッキードや佐川疑獄、リクルート事件などを一本の線で結んでいく。
その中心人物であるニック・ザペッティこそあの「ニコラ」のピザを持った
看板のおじさんであったことを、この本を読んで初めて知った。

投稿者:uchimura_it|Comments (0)

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