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空中回廊を通り抜けてガラス張りのエレベーターで屋上に案内されると
目の前に、なつかしい感じの草むらが広がった。
「この設備には一番苦労しました。だいだい土の深さは5センチ程度なんです。
それ以上盛ると、屋上の耐久を超えてしまうんです。」
草むらの中央には池があり、藻がはりのぞき込むとメダカが泳いでいた。
小学生の頃にいつも遊んでいた田圃を思い出しちょっとノスタルジックな気持ちになったが
ふと顔を上げると、眼下には京浜工業地帯のコンビナートと、拡張中の埋め立て地が
広がっていて、我に返った。
「この池の下には完全防水のシートが敷かれていまして水漏れの心配はありません。
当社では今後このビオトープを子供達に自然体験を提供する学習の場として是非、
活用して頂きたいと思っているんです。」
女性スタッフの丁寧な説明に耳を傾けながら僕は、
秋の日射しを反射する東京湾を航行するパナマ船籍のタンカーを、目で追っていた。
シュールだ。

投稿者:uchimura_it|Comments (0)

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