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中間発表に向けて研究主題を確定するプレゼンは、述べ2時間を費やした。
「美術教育」とは何を目指すことなのか、自分はどんな授業の展開を創り出すことで
そのことを形にしようとするのか
そのことを明快に専門外の人へ向けて説明するのは
とても難しくて、十分に伝えきることが出来なかった。
とても頭のきれる人たちへ向けたことばだったのに。
練りに練ったレジメや、配付資料も作成したのに。
「美術」ということばが表すものを、いいあてた人は多分いまだにいない。
そもそもそんな言葉は、この国にはなかった。
明治になってやってきた[ fine arts ]という英単語を
当時の賢者が知恵を出し合って訳したのだ。
その当時「美術」は,[ 音楽・文学 ]も含んだことばだった。
いつも人に自分の思いを伝えるのに七転八倒する理由は
結局のところ、僕の使う「ことば」の問題なのだ。
幼い頃から,人と話すのは苦手だった。
ことばなんて信じられなかった。
絵の具や画用紙と出会ったおかげでことばのかわりに色や形を使って
自分のことを少しづつ語れるようになったんだ。
だからその解放感や喜びを、すこしでも続く世代に伝えたいんだ。
だから、いまは慣れ親しんで手のひらに馴染んだ画材のように
ことばを使いこなせるようになりたい。
べつに,「美術」だなんてよばれなくてもいいから。

投稿者:uchimura_it|Comments (0)

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