一日部屋で過ごし、部屋の整理をする。
コビはやたら食欲旺盛で餌の催促ばかりする。
季節のせいかな。
年々デブ猫になっているような気がする。
段ボールに、文庫本やコミックを詰めて大手の古本チェーン店へ売りに行く。
全部で450円
そのお金で、帰りに吉野屋で牛丼を食べた。
並のみそ汁付きで450円也
ビデオテープも思い切って捨ててしまおう。
今まで、つい好きな映画をダビングしてしまう癖があったのだ。
だけど、滅多に見る時間もないし観たくなれば借りに行けばよい。
ラベルのないビデオをデッキに挿入して中身を一本一本確かめる。
「祝 uttie先生」と画用紙を持った女の子がモニターに現れる。
今年に入って自ら逝ってしまったI美だった。
3年前に僕が結婚したときに神津島から送られてきたビデオレター
彼女が、首からチンチラをさげてボン・ジョヴィを熱唱している。
スケッチブックにメッセージを掲げている。
「うぇー結婚するだな。ちぇー狙ってたって-ばやい」
なつかしい島のことば。
ビデオを最後まで見ることは出来なかったけれど感傷的になるよりも
ビデオの存在にほっとする気持ちが勝った。
ビデオの中にはいつも彼女の存在がある。
死者は永遠に年をとらない。
これからもずっと二十歳のままだ。