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教壇を降りて2ヶ月になる。
一度講壇から離れた落語家は,勘が鈍ったりしないのだろうか。
ステージを降りたミュージシャンはどうだろう?
再び教壇に戻ったとき,ブランクを取り戻すことが出来るだろうか。
そんなことを,ふと考えたり。
ここ最近,各メディアを賑わした高校生の事件は
彼らを覆う闇のほんの一部が表出しているに過ぎない。
僕たちは,垂れ流されるニュースから氷山のほんの一角を目にしているに過ぎないんだ。
少年事件に対しての論評を耳にするとき一元的で,ステレオタイプな解釈と傍観者的な
スタンスに憤りを覚えることもある。
本当に知りたい情報は,「その闇の正体」と「闇の中を歩くときには
どんな風に明かりを灯せばよいのか」その二つだけだ。
聞き飽きた言葉を駆使した教育論を展開する前にどうやったら闇の中で光が見つかるのか
教えてほしい。
たとえば今,彼らの前に立って1分間ホームルームで語るとしたら
どんな話ができるだろう。僕は、あまりよい言葉を知らないんだ。
人は種を蒔いて生きているんだよ。
よい種も,悪い種も。
「天に向かって唾を吐く」という昔の諺があるけれど
実際には、もっともっと時間を経てから
自分に返ってくることの方が多いと思うよ。
でも,確実に返ってくる。
毒麦の種を蒔けば毒麦の穂を束ねて収穫しなければいけない。
たとえ涙とともに蒔いたとしても美しい花の種を蒔けば
その花に囲まれて喜び、踊る時がくる。
今、僕が言えるのはそれだけ。

投稿者:uchimura_it|Comments (0)

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