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通勤途中の、総武線の車窓から四谷駅から市ヶ谷駅にかけて続く
土手の桜並木を見上げた。この桜並木は僕を19才に引き戻す。
その頃僕は、新宿のエル・タワービルの建設現場で働き始めていたんだ。
来る日も来る日も窓の換気口を各フロアーはめ込んでひたすらビスで止めていく仕事
言葉に出来ない深い喪失感ではじめて鬱を知った。
結局のところ大学生にはならず、高校時代に仲間達と過ごした日々すら
もう二度と戻ってこないという事実をうまく受け入れることが出来なかった。
その日は、新宿の現場から丸の内の三菱銀行本社ビルの現場へ移動する途中だったんだ。
信号待ちの白いバンの助手席からくたびれた作業服を着た僕は紺色のフォーマルの上に
スプリングコートを羽織った上智大の入学式に向かう新入生の列を眺めていた。
サークルの勧誘をするお揃いのスタジャンを着た大学生達。
なんだか、色んな想いが溢れてきて空を見上げたとき今日と同じ
土手の上の桜並木がまばゆい光の中で揺れていた。
10代最後
1989年の桜並木

投稿者:uchimura_it|Comments (0)

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