気がつけばもう1年以上日本へは帰っていない。
外国語環境の中で暮らしていると、逆に「日本語」に対して
とても鋭敏になっていく自分を感じます。
いわゆるJ-POPと呼ばれる類の音楽においても、「日本語」すなわち
歌詞の質がとても気になるのです。
最近、車の中で聴いていて、とても新鮮な印象を受けたのは
スガシカオの新作アルバム「TIME」
「家畜に名前がないようにあなたの名前を忘れてしまうの」(サナギ)
なんて詩が、音にぴったりと一つになって耳に飛び込んでくると驚くし
「やけくそでねたバイト先の女の店長」(カラッポ)なんてフレーズに
よくまぁ、そんなコトバを生み出すなと、思わずほくそ笑んでしまう。
軽いようで、とても手触りのある歌詞とメロディーに魅了される。
短編小説集みたいだ。
「光の川」と題された曲は、渋滞中の路上に光る車の
ヘッドライトの流れをうたっていて、246の渋滞を鮮明に思い出させる。
ミラノ市街におけるクリスマス前の渋滞とは違う。
あれは確かに、東京だけの「光の川」だったな。
* LIFE 更新