Kへ
メールをありがとう。
最近面白い言葉を耳にしたので、早速伝えたくなりました。
「デビル」と「ピュアエンジェル」
アメリカの事業家は、投資家の性質をこの2つの言葉で区別するのだそうです。
察しの通り、「デビル」は自らの資金を増やすことを第一の目的として、投資を行う
人間を指しています。
「ピュアエンジェル」は、投資先の理念に共鳴し、自らも、世界を変えて行くことに
参加したいという思いから、投資を行う人間を指すのだそうです。
シリコンバレーに代表される、アメリカの若手ベンチャー集団の急成長は、
この「ピュアエンジェル」あっての成功だったみたい。
面白いよね。
個人投資家がまだ少ない日本には、浸透していない概念だと思わないか?
もっとも、かつて殆どの投資家が「デビル」になってしまって
この国の経済は、破綻したのかもしれないね。
あと、ベンチャー企業のあり方も日米間には際だった違いがあるみたい。
よく、欧米人は個人行動を得意として日本人はチーム仕事を得意とするって言うじゃない?
だけど、実際には日本のベンチャー企業は、一人のアイデアマンが孤軍奮闘し、
3年間くらいで力つきてしまうパターンが多いらしい。
一方、シリコンバレー型のベンチャーは、5~6人の人間が、アイデアを出し合って
チームをつくり自分の得意とするフィールドで、別行動する事で成功してるんだよ。
なにかヒントになった?
これからのビジョンの事だけれど、「一発当てよう」とか、マーケティングに基づき
人々の表層的な欲望に働きかけて小銭を稼ぐような事業は成功しないだろうね。
もう、そんな事業は飽和状態だし、Kだって、そんなことでお金を稼いでも
充足するような人間じゃないでしょう。
これからは、人々が物質的なものよりも、魂そのものに働きかけてくるような体験を
求めるようになってくるんじゃないだろうか?すでにそうなのかもしれない。
新しい価値や才能を発掘して結集させたりする事は可能だよね。
ある意味冒険だけれど、決して博打じゃない。
だから、少しずつ世界を変えて行こうよ。
自分たちの価値観を提示し、もっと人の奥深いところに届いて
本質的な豊かさや、感動を提供することが出来たときだけ
僕たちは、仕事に充足感を得られるんじゃないか?
僕は、べつに理想主義者じゃないよ。
知っていると思うけど。
Kとはもう15年のつき合いだし、お互いの弱点も、才能も
だいたいのことは解るよね。
今まで、歩んできた道のりも不思議な符合が多いのも、偶然じゃ無いのかもしれない。
もし、僕たちがこの理念を共有して動きが出せそうなら、安定が約束された仕事なんて、
手放したってかまわないよ。
その時には、お気に入りの英国車も売っぱらってしまおう。
あとで、電話するよ。