テレビをつけると、金八先生をやっていた。
今日からはじまる、新シリーズらしいのだが、全部観てしまう。
ドラマは、少子化の影響で空き教室が増えた中学校に、
老人介護施設が統合されるところからはじまる。
現代の3年B組には、多動症の生徒がいる。
隠蔽されるイジメや、それを操る優等生。
密室化された学級で起こる対教師暴力。
一度でも教壇に立ったものが観ればうんざりしてしまうほど、
今日的問題のオンパレードである。
昨今の教育諸問題の事例を良くリサーチしてあって、
お腹いっぱいになるほどのデティール。
だけど、リアリティがない。
何故なのか考えながら観てしまった。
例えば職員定数が少なすぎるとか、
桜中学には、異動はないのか?とか
事務仕事はいつやっているんだ?とか
息子がいる学校に、父親を配置しないだろ!
などのツッコミを入れられ無くもない。
しかし、それが原因では無い。
マスコミでもお馴染みの、記号化された今日的な問題を
ドラマに仕立ててしまう事こそが、最大のリアリティの欠如だ。
現実には、物語性を与えることが困難な日常こそが、
教師にとっても生徒にとってもやっかいな敵なのだと思う。
その日常の正体をつきとめて、
言葉を与えてゆきたい.。