坂本龍一のオペラ[LIFE]を日本武道館へ観に行く。
オペラのというより、壮大な映像ショーだった。
20世紀を統括するというコンセプトのこのオペラは、
今世紀を、「破壊」の世紀だったと提起する。
ストレートなまでに、そのメッセージは映像と言葉によって提示される。
しかし、美しさを損なうことはない。
もっぱら、ダムタイプの高谷氏の映像演出に目を奪われた。
そう言った意味では、
音楽面でソリストやパフォーマンスが生である意味を薄く感じた。
しかし、映像・衣装・ダンス・音楽・テキストの知が結集されていて、
今可能なかぎりのハイテクを全て駆使している。
まさしくそれはオペラだった。
これらの知を駆使して今世紀を統括すること。
それは、表現者の使命であったと思う。
そして、そんなことが出来る作曲家は他にいなかったのだと思う。
「救済」は我々にあるのか?
これが、このオペラの最後のメッセージであり問いかけである。
「ある。」そう答えたい。