ミラノから200キロ東にある古都、ビチェンツアでバイブル・スタディ
とても恵まれた時間でした。
最近は深夜にまた高速道路を走って帰途につくのがつらいので
ビチェンツアにホテルをとり、夜はそこで静まることにした。
眠りにつく前に、自宅の本棚からもってきた、山崎豊子の「沈まぬ太陽」を読んだ。
「事実を小説的に再構成したもの」と、本の背表紙に書かれていて、実際に誰が読んでも
日本航空がモデルで、日航機御巣鷹山墜落事故という実在の事故などを軸に、日本社会の
闇の深さを、圧倒的なリアリティーで書かれていて、とにかく惹きつけられる力がある。
物語の主人公(労働組合委員長として会社経営陣と対立した結果ナイロビに左遷されている。)
が、アフリカで狩人として大きなアフリカ象をしとめようとしているところから物語が始まる。
そういえば、同じ著者による「華麗なる一族」の(ドラマでは木村拓哉が演じた)主人公も
狩りを愛好する設定で、たった一人で、政官財の陰湿な抵抗に、一人で信念をもって
立ち向かう姿とオーバーラップさせて描いたのと同じ手法だなと思った。
しかし、この小説としての面白さが、帰って危険なのではないかなとも思った。
事実を検証し、力強く提示しながらも、たくさんのフィクション(虚実)も混じっている。
読み手の方には、それを選別することはできない。本当と嘘が混在した物語
牧師として働く中で、時として人間の厄介な問題に直面します。
とくに、心を病む人との対応で一番手ごわいのは「虚言症」の人です。
虚言症の人(簡単に言うと嘘つきの人)って、九割の「事実」の中に一割の「嘘」を混ぜて
人々の中にそれを浸透させたりします。だから、ほとんどの人が信じてしまう。
この偽りを見抜くには、ある程度の精神医学的な知識と、霊的な識別力が必要
本の話に戻ると「読んで面白ければいいじゃない。」という読み手側の要求を満たすことと
歴史的な事実はどうであったのかということが検証されることは区別が必要
そんなことを考えながら、異国のホテルで、母国を描いた小説を閉じた。
←今日も見に来てくださって感謝
うわあ、「虚言症」って恐いですね。
それがある種の病気なら、本人にはその
意識がないのでしょうか?いつの間にか
なってしまうんだろうか。
脚色したりするのは私にも思い当たりますが、、、
どうしよう、「虚言症」なら。
山崎豊子は著書全て読みました。
いつも面白いなーと思って読んで、
(私はいつでもそうなのですが)
1週間もするとすっかり『あらすじだけ記憶』だけになって、
1ヶ月後にはbookoffにその記憶すらおいてきます。w
あまり深く考えない読者です。
お久しぶりです。風邪はもう完治なされましたか?お気をつけ下さいね。
虚言症で思い出しましたが、
「平気で嘘をつく人たち」というタイトルだったともいますが、お読みになりましたか?私はもう随分前に読んだのですが、興味深かったように記憶してます。
また、読み直してみようかな?なんて思いました。
近い内にお目にかかれそうですね?楽しみにしています。
特に娘のNがとても楽しみにしているのです。
きっとハンナちゃん同伴だと思っているのでしょう・・・・。
>junika
「虚言症」は、それ自体が病気なのか
人格障害の表れのひとつなのか議論があるところです。
事実を脚色して話す傾向というか、事実に解釈を加えて
伝えることは多くの人がしていることです。
でも、事実と解釈を分けて話す、分けて聞くことも
必要な力かも知れません。
>fuke
ストーリーの枝葉の部分は捨てて
本質的な部分だけ、腑に落としている読者なのでは?
>Y.imamura
「平気で嘘をつく人たち」は、解りやすくて
とても良い本ですよね。日本でも売れました。
今、もう一度読んでみたい本ですね。