現在公開中と言われているメルギブソン監督の「パッション」は、
日本ではどのように受け止められているのだろう?
インターネット上で、批評などを見る限り、今ひとつ
的を射たものが少ないように感じてしまいます。
おそらく、大前提となっている聖書に関する基礎知識に、
イタリアと日本では大きな開きがあるのではないでしょうか。
イタリアでは、「パッション」は受難週の4月7日に封切りとなり、以来、
今日まで大きな話題であり続けています。
4月7日ローマ発ロイターでは、こう報じています。
「総映画館数の3分の1に当たる700館で上映。多くの映画館ではチケット発売
後、数時間で完売。首都ローマで最大の映画館担当者は『ロード・オブ・ザ・リング/王
の帰還』(ピーター・ジャクソン監督)でさえ、これほどの期待感は起こさなかったと指摘。
『ものすごく多くの人たちが、大量にチケットを購入した。1人で200枚
買った人もいた』と述べた。アメリカではR指定となっている同作品だが、イタリアでは
規制はかけられておらず、これも観客動員の一因となっている」
アメリカや日本との大きな違いは、年齢制限を設けていないこと。映画館には連日、
学校の先生や地域の大人に引率された小学生の団体などが目立ちます。
諸外国では残虐性が話題になっていますが、イタリアでは聖書に忠実であることが
話題の中心で、「すべての子どもたちに見せるべき」との意見が多数を占めています。
実際に、映画を見終えたイタリア人たちからは「真実はもっと厳しかったのではないか?」
との声が聞こえてきます。
またフランスやアメリカなどで起きている「誰がキリストを殺したか?」
「ユダヤ人差別ではないか?」といった議論はイタリアでは皆無です。
イタリア人は「ローマの法律で裁かれたキリスト」、「ローマ兵の植民地における暴挙」
に胸を痛めますが、これらは皆幼いころから学校で教わっていることのようです。
ゆえに、多くの人が「私たち(私)が十字架につけたキリスト」
と捉えたうえで映画の感想を語るのです。
イタリアでは、封切りから2か月たち、ようやく公開を終えようとしています。
パッションですが、実は見ていません。
妻が「ちょっと凄惨過ぎて」と申します。
日本での反応を少し。
現在、100万人を動員する勢いです。
配給している日本ヘラルドとしては、
「正直びっくりしている」勢いだそうです。
放映続行が決まった館も多く、おおむね好評のようです。
見た人の感想です。クリスチャンの方です。
「もう少し、グロいかと思ったが、そうでもなかった。男性はぐっとくるのでは」と言っておりました。
当社では、パンフレットに広告を出しているのですが「ナザレのイエス」が、とてもよく売れています。明らかにクリスチャンでない方が、多数買われているので、売るほうとしては、嬉しいですし、気合が入ります。
ちなみに、プログの定義って何でしょう?
なんと後ろに移っている教会は
「最後の晩餐」が飾ってある
サン・マリア・デッラ・グラッツェ教会ではありませんか。