週明けのプレゼンのための資料を作成し終えると、もう広いオフィスはには人の姿がなかった。
セキュリティーカードで裏門から退庁、駅前の「らんぷ亭」で夕食
街の灯りを映して揺らぐ神田川をぼんやりと眺めながら「おろし牛皿定食」580円也
一週間を逃げ切った僕は部屋に辿り着きベッドに横たわる。
昨日買った[Walts for Debby]を流すと、あっという間に意識がどこかへ飛んで
いってしまいそうになる。
なんだか、曲の間にも聞こえてくる聴衆のリラックスした笑い声や
グラスのぶつかり合う音までが完璧なセッションの一部になっている。
1961年6月の日曜日
その日ビッレジバンガードには何か魔法がかかったのだろうな。
僕は生まれてもいないのに 時空をまたぎ、その日の音が 何度も僕をその場へ誘う。
今日はもう一度このアルバムを聴きながら目覚ましをかけずに眠ろう。