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昨日の夢など 話したくない あなたにさえも
(THE BOOM / それでも汽車は走る)

夢をみた。
僕は幼い頃の想い出がたくさんつまった宮崎県の小林市にいる。
県内の公立高校から登校拒否生徒との面談を依頼されて来ていた。
校内を案内されているときに教室に入れないで廊下に佇む男の子が目に留まった。
見覚えがある子だ。
僕の大学を卒業してからの最初の仕事は「児童厚生指導員」とかいう肩書きだった。
役所から児童館に派遣され地域の実態にあわせた児童館運営を企画する。
児童館といっても学校になじめない中高生の吹き溜まりだった。
心を閉ざしてなかなか口を開かないそんな子供達と、はじめは卓球をしたり
好きな音楽やゲームの話を聞いたりしながら関係をつくっていった。
その中の一人が彼だった。
「やぁ、どうしたの?えーとゴメン名前が出てこないよ」
僕はその男の子と階段の踊り場に移動して言葉を交わした。
踊り場の窓から小林の町が見える。
男の子は、すこし肥満気味でラジカセを手にしている。
「名前は思い出せなくて当然だよ。センセイはあれから何百人もの生徒と関わってきたんだろ」
「あー、でも君としたことはよく憶えているよ。そのラジカセを、いつも手放さなかったよね。
ゲイシャ・ガールズのCDを君から借りたしスーファミのソフト[聖剣伝説]も借りたよね。」
「センセイはあの後、南の島に行っちゃったんだろ
その後も、好きなところを渡り歩いてきたんだろ」
「別に、好きなところばかりって訳じゃないよ。仕事を色々変えたんだ」
「でも、色んな人にあって、色んな人と仲良くなったんだろ」
「うん、そうだね」
「その度に、色んな人を置いてきぼりにしているんだよ。
僕はあの頃からずっと同じ場所にいるんだ」
「そんなことはないだろう?君と会ったのは中野区の児童館だし、ここは九州だよ」
「だけどさ、おれちっとも治らなかったよ」
「そんなことはないよ!」
自分の張り上げた声の大きさで僕は目を覚ました。

投稿者:uchimura_it|Comments (0)

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