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ベネチア・ビエンナーレは4年前ほどでは無いと思うけれど、
ダラダラとビデオを流す作家が相変わらず多かった。
僕にとっての[良い美術作品」の定義は、その空間に足を踏む入れた瞬間に
「はっ」とさせられて、何らかの開放感を与えてくれるものです。
Mona Hatoumはビデオを使う作家として知っていたけれど
今回はすばらしい作品を提示してきた。
巨大なターンテーブルに敷き詰められた石
その上を回転するスキージは、溝を作る役目と、平坦にする役目を対で担っている。
わお、素敵だ。
彼女は京都の竜安寺の石庭を訪れたことがあるのだろうか?
見た目にはすこぶる単純な構成であるけれど、宇宙的な法則を秘めている。
そんな、見る人によって自由な解釈や連想を欲しいままにさせる美術本来の魅力がありました。
ベイルートのパレスチナ人家庭に生まれつつ、自らはキリスト教信仰をもち
ロンドンで活躍する女性作家です。
内面的には複雑なアンビバレンツをもちながらも
生み出す作品は視覚的にシンプル。
こうでなくちゃね