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3年生の選択授業は、今学期は残すところあと3回
「何をやりたい?」と相談して決めることにした。
様々なモダンテクニックやCG等を体験させたクラスだったが、
彼らのリクエストは意外にも「絵が描きたい」だった。
「じゃあ、自画像なんてどうだろう」という僕の提案は
ブーイングに砕け(なんでだよ!?)静物のモチーフを組むことにする。
「今更、静物画など「アカデミックすぎて退屈」というイメージは、
いびつな美大受験を経験した僕自身の勝手なトラウマに過ぎなかった。
かれらは、久しぶりに手にする木炭を握りしめ、とても真剣に取り組んでいる。
エスキースを終えた段階で、黒板に貼り出して一人ひとり講評する。
構図の話を、うまく伝えるのって難しい。
放課後はA野が油絵を描きに来る。
「先生、絵って楽しいよねー」という一言に、はっとする。
それが原点なのだ、コンセプトや、なんやかんやに振り回されて
僕の頭はいつの間にか硬化していたのかも知れない。
時々、彼らからは大切なことを教わる。
高校生の頃は、退屈な授業を終えて放課後の美術室に駆け込んで、
絵を描くことだけが楽しみだった。
それが、今の僕のスタート地点だった。
そう、絵は楽しいのだ。

投稿者:uchimura_it|Comments (0)

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