前日のことになるのですが、ミラノのparazzo reale(王宮美術館)で開催されている
モネ展Monet. Il tempo delle ninfee(モネ、睡蓮の時代) に足を運びました。
タイトル通りモネの睡蓮シリーズに焦点をあてた展示で
パリのマルモッタン・モネ美術館の収蔵作品である
モネが個人的に収集していた北斎や広重の浮世絵も一緒に展示されていました。
誤解をまねきそうな表現ですが、モネってやっぱり上手ではないんですよね。
(テクニシャンではないという意味です。)それにもかかわらず彼の作品が
僕を惹きつけるのは、彼の世界観がじんわりと、伝わってくるからでしょう。
展覧会会場では、モネが庭園で睡蓮の絵を描いている光景が、
モノクロのフィルム映像として無音で流れているのですが、
音楽的に自分を取り囲む世界を受け止めている様子が解ります。
僕は高校時代から、西洋美術の文脈でデッサン、とくに立体的に対象をとらえ説明する
メソッドとテクニックを叩き込まれてきたわけですが、西洋の巨匠はむしろ浮世絵から
フラットに世界を表現できる日本から学びたいと願っていたことも確認される展覧会でした。
いずれにしも、人に何か伝えるために技法は必要ですが、その技法で人の心が動くのではなく
伝える人の世界観(愛と言い換えることができる)が人の心を動かすのでしょう。
10年前の今日
←今日もそこにいてくださってありがとう。
初めまして。ずっとROMでしたが、はじめてコメントさせていただきます。
>いずれにしも、人に何か伝えるために技法は必要ですが、その技法で人の心が動くのではなく
伝える人の世界観(愛と言い換えることができる)が人の心を動かすのでしょう。
全く同感です。なにかを「創る人」全てに当てはまる事だと思いました。
>masami
はじめまして!コメントありがとうございます。
日常手にするプロダクトすべてにもデザインや思いがあって、その背後にある人の情熱や愛情が感じられると、
とても大切なモノになりますよね。